The dayというボード

2017年2月15日 at 9:56 PM

The dayのボードは「どこでどういう滑りをしたい」というコンセプトをまず最初に考えてから設計しています。

flying fishの進化系がPOWDER MASTERで、さらに進化したのがSuper Fishということはありません。全然別物です。硬さを変えて変化とか進化とか言うコピーで煽るのは好きではありません。途中で設計を変えたのはALL DAYくらいです。

オールラウンドのボードは「どこでも滑れます」「パウダーも行けます」というキャッチコピーで今までメーカーが散々出してきてました(というか現在進行形)。むしろオールラウンド以外のボードは無かったんですね。正直9割以上の人はオールラウンドのボードでいいんじゃないかと僕も思います。ただいつも言っていますが「パウダーも滑れるボード」と「パウダーボード」というのは似ているようで全然違うのが、いまだにパウダーボードを作っている理由です。

flying fishの最初の試作ボード(単なる形に切っただけの反り上がりすら無いボード)に乗った瞬間に別世界に行きました。
コンセプト通りに踏むと深雪からトビウオのように飛び出すんです。こんなボードは他にありませんでした。浮きあがるという点では他のボードより優れています。乗り味も味があっていまだに大好きなボードです。

ALL DAYはパウダーボードで疲れた時の乗る筆休み的なボードです。ゴリッゴリのカービングをするというより1日中疲れずに楽しめるボード。まぁオールラウンド的なボードなので印象的には中途半端でした。カービングをボードの評価にしている人には物足りないかもしれませんが僕みたいな中年には楽できるボードです。倒し込みもきつくないのでとても乗りやすボードです。

POWDER MASTERはよく行く八方尾根のバックカントリーで、大きい斜面を大きいターンをするために作りました。flying fishでは浮くけど減速する、ターンというより上から下に落ちるという印象だったので。デッカいスプレーをあげてターンをしたかったんです。

Super Fishはパウダーでカービングターンをしたい。深雪の中で地形遊びをしたいというコントロール性重視の設計をしています。サイドカーブきつめでグイグイ滑れます。ただセンターは細めなので少し浮力は落ちますが、とは言えパウダーボードなので十分浮きます。ffのように踏んだ時に飛び上がる感覚が無いと言うだけです。ピンテールなので地形遊びをした際、最後まで舐める感じがあって気持ちいいですよ。

贅沢を言えばシチュエーションに合わせてボードを選ぶという楽しみもありますが、どれか1本持っていれば深雪は楽しめます。
あくまでも選択肢を提供できればと思って設計しています。

今年の乗り物2017

2016年12月12日 at 11:39 PM

すっかり夏山の人になってしまったけど今年もチョロチョロ乗りに行こうと思う。
八方尾根がオープンしたと聞きつけて慌てて今年乗るマシンを組み上げた。
フレームはコレ。スノーモトの青いやつ。部屋で見るとド派手過ぎてちょっと引くけどゲレンデで見るとまぁおかしい色ではない。写真写りはいいと思う。

ヘッドチューブにThe Metal WorksのロゴがCNCで掘られている。いい感じ。


デッキの滑り止めはピン。普通のデッキパッドもある。スリッパで乗ったらガッツリ食いついた。俺はストラップを付けるからガッチリ滑らないピンはちょっと怖いけど新しいものはとりあえず使ってみよう。デッキのピンを見ると松浦さんを思い出す。

あとシートは使わない人なので取りはずす。シートの取り付ける穴周辺でピンクラインが途切れているのが気になるのでペイントしてみた。

ガッツリマスキングをして下地から作るよ。下地をしっかりすれば蛍光ピンクの発色はさらに良くなる。

あかん。表面コーティングのクリア買うの忘れた。そのうちパリパリ剥がれてきたらやだなぁ。

とりあえずこんな感じ。

シートが付いている方が見た目のバランスはいいね。

ボードはThe dayのニューボード「Super Fish」
設計と少しだけテストに関わっています。去年は忙しすぎて途中からはSAIのシンゴくんに調整はお願いしました。
flying fishともPowder Masterとも違うコンセプトで設計しているので今までのボードのモデルチェンジとは違います。
常に最新のボードが必要ということは無くて、どれか1本持っていればパウダーは楽しめると思うよ。

ただ「パウダーも滑れるボード」と「パウダーを滑る為のボード」というのは雲泥の差があるよ。
ボードについてはそのうち、ちゃんと書こうかと思っています。

Myth of WAX

2015年12月29日 at 3:33 PM

Myth of wax

ワックスを塗っては剥がす、塗っては剥がす。僕はワックスの削りカスの中に埋もれていた。
どうせ粉まみれになるのならばパウダースノーの中に埋もれていたい。

この作業をいつもしていて思うのだが、溶かしたワックスの99%は剥がされてゴミ箱送りになっているのじゃないか?99%はソールに染み込む事が出来ないのではないか?まるで卵子と結合できない精子のように。ワックス剥がす為にシコシコしてるくらいだったらセッ◯スしてたい。などと不毛なことを考えている。

この記事で言いたいことの99%は言い切ったのだが、それでは捨てられる99%のカスと同じく不毛な記事となってしまうのでここからリカバリーするが、ワックスを何度も入れて剥がしてという作業を繰り返すと確かにソールが出来上がりピカピカに仕上がる。それは芸術的な輝きだ。(実際はしっかり剥がしてブラシとクロスで磨いてあげれば見た目的には1回のワックス作業でピカピカになる)

ワックスの原理は検索すれば山ほど出てくるので割愛するが、何回もワクシングをするという作業の本質はソール材の隙間の奥の奥まで、すべての隙間にワックスを染み込ませることにある。僕は目で見たことは無いのでワックスの専門家の説明をそのまますると、ソール材は熱を加えると繊維の間の隙間が開きその隙間にワックスが染み込んでいくということらしい。

ではワックスに熱を加えた後に毎回剥がすという作業は何のためにあるのだろう?この作業には意味はない。あるとすればこんなに親指が痛くなるほどスクレーピングを繰り返しているのだから滑ってくれるに違いないというプラセボ効果である。

それではどうすれば良いのか?
ワクシングペーパーを使ってソールを焦がさないように満遍なくワックスを塗る。ワックスを剥がさずに少し放置。そして再び加熱してワクシング。この時前回使ったワクシングペーパーを使えば、新たなワックスは必要ない。またソールを冷やしすぎてしまうと折角開いた隙間が閉じてしまうのである程度冷えたところでワクシングしてあげるのが一番効率的であろう。

この作業を何度も何度も何度も繰り返す。理論的にはワックスは奥の奥、隅々まで染み込んでいくはずである。気が済んだところでスクレーピングして剥がしてやればいい。何度も剥がさなくてもいいので経済的にも体力的にも時間的にも効果的である。硬さの違うワックスを入れたければその上から入れてやればいいが、経験的には硬めのワックスをしっかり入れてやれば1種類で十分である。

以上でベースを作る作業は終了。あとは雪質にあったワックスを入れてあげよう。ホットワックスじゃなくて簡易ワックスでも良い。

こんだけ手間をかけて作業してもワックスはあっという間に抜けてしまうので抜け切る前に再度ワクシングをする必要がある。ワクシングとはなんとも不毛な作業である。

ちなみに俺は高専スキー部時代から数え切れない回数ホットワックスをしてきたが、たどり着いた結論は「簡易ワックス最高!」である。

ブッシュ

2015年12月5日 at 1:41 AM

もうこれ俺がスノースクート始めた頃からずっとずっと永遠のテーマみたいになってる”ブッシュ”
そう、フレームとボードをつなぐ大切な部分。
ネット界隈ではまたブッシュ談義が熱くなってきてるみたいだけど、正直最近結構どうでもよくなってきてる。
flying fish, Powder Master ,今年のALL DAYに乗っている限りフラット調整をシビアにしなくなってもよくなったのとフレームの精度が良くなったの大きい。だいたいフラット出しておけば大丈夫。ネジ1/4回転締めてどうのこうのとか、ここは1mmあげてとかはやってない。(初代ALLDAYはスクートに付けるとちょっとシビア)

ブッシュの動きは伸びすぎなければいいかなぁって感じ。JykKのノーマルブッシュでいいんじゃないかな。一緒に入っていた手が切れそうな薄いプレートをリヤボードの前側に入れて使ってる。ここの動きが抑制できれば他は特に気にならない。スノースクートでもスノーモトでも特に変えてない。同じブッシュ。みんなみたいに厳密にいじっていけば少しは変わるかもしれないし、そういう楽しみもあるけどね。
しょっちゅうボード交換するからSASシステムは便利です。
IMG_0239

しかしこのサイトも気がつけば16年目か。。。飽きずによくやってるなぁ。

来季ボードテスト中

2014年2月11日 at 7:28 PM

snowmoto snowscoot 2015model new board test
2月に入ってからずっと、The dayブランドの来季リリース予定のニューボードのテストをしている。
このボードは見ての通りパウダー用。フライングフィッシュとはまた別ライン。フライングフィッシュはとにかくパウダーで浮きたいという単純なコンセプトをもち、コントロール性を重視して開発しました。だんだん慣れてくると今度はスピード域を一段上げて滑りたい。もっと斜面全体を使って大きいターンしたいという欲がでてきました。フライングフィッシュのフレックスやシェイプを微妙に変えて対応することも可能なのですが、フライングフィッシュはフライングフィッシュなりの良さがあり、フライングフィッシュに適した斜面もかなりあるので新規に新しいボードを作ることになりました。というかちょこっと変えて進化!といったところで面白くもなんとも無いしね。
んで今開発しているニューボードが欲しくなったのは去年有江さん達と白馬のバックカントリーに行った時。G沢のデッカイバーンを大きく滑りたいのに斜面に対してチョコマカ滑ってしまった時に、大きな斜面を安定してカッ飛びたいなぁと切に感じたからでした。このボードは今のところ完璧にその要望を応えてくれている。そして圧雪でもかなり強い。マニュアルもバニーホップも非常にやりやすいスノーモトライダーのKozo君なんてテールウィップとかやってたし。。。(一応パウダーボードなのに・・)。設計段階で乗り味の想像はつくようになってきたけど乗るとさらに色々見えてきて楽しいね。

僕がいつも考えているのはスノーモトの進化、スノースクートの進化とかではなくて、このハンドルとフレームとボードがあって雪の上で滑るにはどういう形が一番適しているのか?ということ。スクートだからモトだからとか言っていても面白く無いしね。

The dayのボードはスノーモト、スノースクートと合わせ、今年は対応していないブラックマウンテンにも対応させて、スノーバイクに乗るライダーに少しでも多く楽しんでもらえたらいいなぁと思っている。

ゲレンデで僕に会ったらぜひこのボードに試し乗りしてもらいたい。気軽に声かけてね。

Black Mountainに乗ってきた!

2014年1月5日 at 2:23 AM

snowscoot Black Mountains
ブラックマウンテンに乗ってきた。ブラックマウンテンに乗るのは何年か前にちょっとだけ日本に入ってきた時に乗って以来。乗ったモデルは今年から新たに加わった「Torik FX」。一番後ろのサスペンションを廃止したモデル。実は一番気になっていた。

見よ!この洗練された作りを!この鉄の塊感が燃える!
snowscoot Black Mountain

各所に散りばめられたアルマイト加工が高級感を倍増させる。
snowscoot Black Mountain

以下は乗ってみた感想。感覚を忘れないようにリフトに乗る度に率直な感想をメモってみた。

「重いぞ!」と最初に持った時は感じたけど滑りはとても軽い。リフトに乗っていても重くは感じない。

ショートターンからミドルターンはとても軽快。踏み込んで沈ませターンの後半で解放するとよく走る。スキーで感じる走らせる感じを味わえる。サスによる振動吸収も感動的だが、僕的にはリジットでは感じられないターン後半での加速感に感動した。重量が踏み込みにいい効果が出ているのかもしれない。軽いと弾き飛ばされるかもしれません。

ボードシェイプとセッティングのせいだと思うがもう少し足の下のサスペンションを使って滑りたい。
ターンでたまにフロントから切り込んで転んだけど多分セッティングを詰め、もう少し乗り込めばそんなことはなくなると思う。
snowscoot Black Mountain

バーニーホップは踏み込んだら吸収されてしまうかと思ったが、意外や意外、かなり楽に飛び上がれる。

クタクタになって駐車場に向かう途中、急に重いのを思い出した。それくらい滑っている時は重さも忘れて楽しく滑ってしまいました。

僕の中ではかなり絶賛です!(デモ オカネナイヨ)

SNOWMOTO 13′ ADVANCE Wide (アドバンス ワイド)

2013年1月15日 at 10:33 PM

今年は新雪の時以外はスノーモトの新しいボードADVANCE WIDEに乗っています。

snowmoto_ADVANCE_Wide01

取り回し自在。誰でも楽しめるオールラウンドボード
スノーモトの最大の特徴でもあった前後対称ボードを一から見直しよりワイド化。それによりパークライディングをはじめクルージングやパウダーライドと、ライディングにおける全てのシチュエーションで最高のパフォーマンスを発揮するオールマイティーな1台に仕上がりました。
ノーズ幅240mmの幅広設計に加えセミロッカー形状にすることで不要なエッジの引っかかりを軽減し、素直な操作性と深雪での浮力の向上を実現。また、ボードレングスを30mm延長(全体で60mm)したことにより、高速滑走性能も飛躍的に向上しました。

とてもとても楽しいボードです。スノーバイクに於いて良いボードとされる「ギンギンのカービング性能」とは全然違った基準でいいボードです。シビアさが全く無く取り回しが軽く「遊ぶ」のに一番合っているボードだと思います。エッジコントロールがとてもしやすくハンドリングに力が要りません。意図的なずらしがとてもやりやすいのでサイドに振りながら壁に当て込んでスパンと抜け出るカットバックのようなターンがキモチイイ~。

snowmoto_ADVANCE_Wide02
上の写真のようにボードの幅はWailerのボードより少し細く少し長いです。少し細くと言っても昔のナローボードに比べると十分に太くスノースクートのボードと大差はありません。ギンギンのレースやカービング命な人以外にはかなりおすすめ出来ます。初心者でも苦労せずに乗れるボードだと思います。
ということで今年の僕のメインボードになっています。

今年のスノーモトはパウダーの「Flying Fish」カービングと安定性の「EVOLUTION 」そして楽しい「ADVANCE Wide」とかなり明確な住み分けができていていいですね。