PTEXってなんぞや

2004年11月24日 at 8:19 AM


INSANETOYS SNOWSCOOT 2005ラインナップの記事を書いていてソール材質ついて興味を持ったので調べてみた。

PTEXとはポリエチレ・ソールの1種でドイツのIMS社の商品名。1950年代後半に登場した。よく聞くシンタードベースとは材質ではなく製造法。従来は押し出し成形で製造されていたが、焼結製法と呼ばれるシンタードは、ポリエチレンを加熱・加圧し一度、高密度の円筒を作り、それをリンゴの皮をむくように帯状に仕上げる。そのため従来の約3倍のコストがかかる。エレクトラやグラファイトはシンタードである。カーボンなどを混入し滑走中に生じる静電気の帯電を減らし、滑走性能高めたものである。ポリエチレンは、非常に静電気を発生しやすく塵や埃を吸い付けやすいのだが、カーボンを混ぜることにより静電気を貯めにくくしている。エレクトラは低温で変化して しまうのでアイロンの温度に気をつける必要がある。ソール材には細かい穴(もちろん肉眼では見えない)が無数に開いており、ワックスはその穴にしみこまれる。ホットワックスはソール材に熱を加えることにより穴を広げ、ワックスを奥までしみこませる役目をしている。ワックスは滑ることによりこの穴よりだんだんと染み出してくる。PTEX1000とか4000とかの数字が上がると穴の大きさが小さくなる。穴が小さくなることによりワックスの持ちが良くなるのだが当たり前のごとくワックスの入りは悪くなる。エレクトラとかになるとほんとに入りづらい。高いソール材を使っても、しっかりと正しいメンテナンスをしてやらない限り宝の持ち腐れになる。扱いやすさと滑走性のバランスがとれているのはPTEX4000らしい。

とまじめに調べてみたが、まぁ板が滑るに越したことは無い。だがスクートのボードって材質が良ければいいボードだと思われがちだ。しかしもうちょっとデザインに気を使ったほうが良いと思う(ソール、トップ両面とも)。プリントの版数減らすことによりコストダウンにはつながるという理由はわかるが、俺だったら1万高くてもいいデザインのボード買うね。むやみに版下を増やせばいい訳ではないが最近のボードは手を抜きすぎだと思う。まぁなぜこう思ったかというとカメラ回している仕事柄、ソールっていいアピールスペースだなと思ったからである。昔のSUNNは非常にセンスがいい。
ちなみにボードの原価は非常に安い。開発費、型代を除けば。

参考文献:世界と日本のスキー歴史館